療法士の仕事は20分単位で区切られ、会社から1日18単位以上がノルマのところが多い。私の会社も同じ。だけど時間外勤務は推奨しない。休憩時間を抜いて8時間勤務、1日最低18単位実施だとすると、診療以外の時間は2時間。朝のミーティング、訓練時間の調整が約40分。自分たちのカルテなどの書類業務は1時間20分で終わろってこと。
どうしたら、時間外勤務をせずに効率よく変えることができるんだ?
勤務時間内に仕事を終わらせ、気持ちよく変える為の時間術を確立させたい。コンビニで売られ、私が気になっていた本、あなたの1日を3時間増やす「超整理術」(14日間のワーク式)を参考に紹介していく。
1~14日目のワークは以下のとおり
- 1日目:デスクの整理
- 2日目:書類の分類
- 3日目:紙のデータ化
- 4日目:スケジュールへ落とし込む
- 5日目:データの分類
- 6日目:クラウドに必要情報をまとめておく
- 7日目:ひと目で分かる索引を作る
- 8日目:ネタとなるデータを保存する
- 9日目:自分の時間を把握する
- 10日目:定型化で自分の時間を生み出す
- 11日目:隙間時間の活用
- 12日目:習慣化する
- 13日目:自分をコンテツ化する
- 14日目:お金の整理
1日目:デスクの整理
「『必要なものは20種類だけ!』どこに置いているか人が把握できる数(身に着けている道具も含む)の限界だから。それ以外の物は共有スペースへ。」ちなみに私にデスクはなく45㎝×30cm程度の棚。共有スペースはスタッフルーム、言語聴覚室、機能訓練室。
私の選んだ20品
- ポケット:多機能ペン(4色ボール+シャーペン)、A6スケジュール帳、A6メモ帳、社内共通キー、ハンドクリーム、はんこ(大+小)
- 持っていくセット:聴診器、パルスオキシメーター、鉛筆、消しゴム、A4バインダー、それぞれの患者様資料入れ(レターケース引出し)
- 棚:FIMの教科書、ST会の任意保険、教科書(4冊)、リングファイル(文献コピー)、リングファイル(会社の方針などの書類)
何を根拠に20品が人が把握できる数と言っていいるのか分かりませんでしたが、45㎝×30cm程度の棚に雑多感がなくなり、頭のなかもスッキリした感じがしました。そう感じた時点で根拠はどうでも良くなりました。これは今後のワークも期待できるかも??
2日目:書類の分類
書類は4つに分けなさい
- 今日やること:カルテ入力(評価、普段との変化)、急ぎの仕事、返事が必要な仕事
- 5分でできること:カルテを見る、訓練教材を印刷する、など1~15分以内で期日はあってもよいが急ぎでない仕事
- 期日があること:リハビリテーション総合実施計画書、評価報告書、カンファレンス報告書、など30分以上かかる書類
- 期限がないこと:いつでもいい案件、急ぎではない要件
ここでまさかの「googleを使い倒せ!」と、どうやらこの本の肝っぽい。うちの病院のルールで個人的な電子端末、社外へのアップロード禁止、google先生つかえなーい! 書類の分類は仰せの通りやってみる。google先生をスケジュール帳で何とかしのぐ方法をとる、許せ。また、書類を4つに分ける際ファイルケースを利用した方がよいらしいが、物理的なスペースの関係もあり、ホルダーファイル4ポケット(←21品に!許せ!)を使うこととする。
期日があること
- 2日前に完成できるように作成日時をスケジュール帳の月間カレンダーへ赤色で書き込み、期日通り確実に処理する。
- 処理したら、スケジュール帳に書き込んだ項目に二重線を入れる。
- 作成経過にて、自分が欲しい残しておきたい書類はリングファイルへ閉じる。(←22品に!許せ!)
期日があるから完全にそれまでは忘れることがポイントらしい、google先生使えればスケジュール関係はオート化できるみたい。使えないのでスケジュールの赤字を毎朝見て、必要に応じて今日やることに落としていくこととする。残しておきたい書類は基本データ化らしいが、うちの病院の都合で余り沢山PCに保存したらだめなのでリングファイルに保存する。
期日がないこと
- 極力いらない物はその場で判断して捨てるか、リングファイルにとじる。
- 3か月に一度、半日以上のまとまった時間を取って、たまった書類を整理する予定をスケジュール帳に組んでおく。
「5分でできること」リストを作っておく
- リストに書くより早くできることはその場でやってしまう。
- 高・中・低の重要度、期日を記す。やったら線で分かるように消す。
- リストをホルダーファイル4ポケットに張り付ける。
ポイントは5分でできること、期日があること、期日がないこと、は書きだしたり、スケジュールに組み込んでしまい、すべて忘れることです。頭の中の整理ができ仕事の効率化につながります。
これで明日から少し早く帰れるかも、効果が楽しみです。ひと通り読んで気づいたのですが、13,14日目は「毎日18単位とって残業しない習慣をつける方法」に関係のない、できるビジネスマンになるための方法だったので省きました。興味のある方は買って読んでください。3日目以降の内容については3つの項目に分けて説明します。
パソコン入力の時間短縮
10日目はパソコン入力の効率化で時間短縮を狙います。コピペよりも定型化の方が素早く入力することができます。病院の住所、メールなど調べる手間が省け、入力ミスも防げます。専門用語も都度手書きパッドは時間がかかりすぎます。電子カルテ化が進んでいるため、定型化は即使えます。→うちは共有パソコンなのでよく使うパソコンだけ単語を登録し様子を見ています。今のところ指摘されたことはありません。
医師、看護師、介護士が主に利用するパソコンには入れない方が親切な気がします。が、あえて私は共通言語として利用してほしい単語を、医師が利用しやすいパソコンへ登録し、知らないうちに医師が使って看護師、介護士へその単語が共通言語として広まった経験があります。←裏ワザ
「定型化=単語登録」は最近の町医者が診察しながらパソコンを操作しているあれです。言語聴覚士の専門用語は医療辞典の単語登録にも載らないほどマイナー語です、正しく変換できない事のほうが多いです。例えば、「はっせいはつごきかんきのうくんれん」と打った時、「発生発語期間機能訓練」と変換されるます。修正に手間がかかります。急いでいるときはミスに気付けません。「はっせいは」に「発声発語器官機能」「発声発語器官機能訓練」を登録すれば、キーボードを見て打っている人もカルテの入力がスムーズになります。
早速やってみてください。それだけで数分短縮できる(←これがでかい)と思います。「単語登録の方法がよく分からない!」と言うあなた変換が面倒! 専門用語を一発変換できるようにする方法①をご参照ください。
紙のデータ化と利用法
「地域包括ケアシステム(今、国が積極的に進めている『これからは介護が必要な人を地域で見て行きましょう!病院は高度な医療が必要な人に使っていきましょう!』という政策)」には、今まで以上に多職種連携が重要です。他職種との会議など、訓練時間以外の業務が必ず増えてきます。紙をデータ化することで、今までよりもテンポの速い仕事ができます。
3、5、6、7、8日目では紙のデータ化と取り扱い方法の説明です。ポイントは「その場で、すぐに、スリム化、見える化」です。捨てる手間、探す手間が省け、頭が整理され、時間短縮が図れます。職員で情報を共有することで、最新の情報に更新されやすくなり、更に効果があります。
使用するアプリ・環境
- スプレッドシート(グーグル版エクセル)→エクセルを利用。
- グーグルクラウド(保存、アップロード先)→病院のサーバー(共有フォルダ)を利用。
すべてデータ化しクラウドへ保存することの最大のメリットは、屋内外、時間問わずすべての端末から、必要な情報を確認、編集できるところ。→屋外では個人情報の関係で利用してはいけないため、屋内の利用を前提に考えると病院内サーバーで十分。
方法
- データは検索しやすい名前をすべて入れる。→日付、目的、患者氏名、障害名をつける。
- メールの添付ファイルを保存する際、名前を変える。→日付、目的、送信者名をつける。
- 整理できないデータは必ず名前をつけてから別のフォルダにまとめて入れておく。→3年以上更新されていないデータはとりあえず、別のフォルダに入れ放置、来年度削除予定。データが更新されたら名前をつけて、現在進行中のフォルダへ保存。3年以上昔の研修資料などは取捨選択し捨てる。ネット上にあるものも捨てる。
- パンフレット等はもらっても捨てる手間が面倒。必要な情報をスプレッドシートにメモし持ち帰らない。→企業のページでデータで配布されていないか確認、あればもらわない。写メを活用する。
- 写メした情報はなるべく早く必要なところをスプレッドシートに記載し、削除する。→屋外では困難。病院に帰ってからすぐに作業する。
- 名刺などはスマホアプリで情報として取り込み捨てる。→病院内が主な活動場所であり、名刺は紙のままでも管理できる程度の枚数。電子カルテに入力、または出入りの多い業者は療法士員共通のノートに貼り付ける。
- 必要なID・パスワードはスプレッドシートにタブ付して記録する。ポイントカードなどの会員番号を控え必要な時にスマホで確認する。→電子カルテのログインパスワードをエクセルに記載。ログアウトし忘れたスタッフの代わりに再ログイン、ログアウトするのに利用。
- スプレッドシートに各フォルダの説明を記録しそのリンク先のアドレスを書いておく。→フォルダ名に簡単な説明つけた保存先のショートカットを作成。
エクセルを共有ファイルで活用した実例
- 一日のリハビリ実施予定・実施記録:エクセルで20分刻みのタイムスケジュールを作り、リハビリスタッフで共有します。訓練実施した時間に患者様・スタッフの氏名を入れます。患者様に効率よいリハビリの提供と時間がかぶるといったミスも減ります。すなわち、無駄な1単位の空白を避け、患者様のリハビリ機会も増えます。
- リハビリテーション計画書作成:なかなか一緒に話せない時でも効率よく目標を立て、リハビリをすすめることができます。
- 状況の全体把握:チームのリーダーであれば患者様の情報をチームのスタッフに適宜入力させることで全体を把握する手間が減ります。診断名、入院日数、目標、進行状況があれば十分でしょう。
なかなか敷居が高い方法だと思います。それは自分を変えるだけでなく、周りの人も巻き込む企画だからです。それこそがチャンスです。知った事実を元に、まず自分で試し事実を重ね、先輩に相談(←重要)しましょう。あなたのミスが減るだけではなくチームのミスが減り、直接病院・施設の収益に繋がる内容も含まれているかもしれません。
あなたが求められるているのは単位だけではありません。「患者様、経営、教育、安全などに貢献できるあなたの力」を会社は求めています。
時間管理術
グーグルカレンダーが使える場合は、所属する病院施設の管理のもと、個人情報の取り扱いに十分配慮して行ってください。私の病院はアップロード禁止でありグーグルカレンダーが使えないため以下の内容は、本書のポイントと私の方法をご紹介します。
2、4、9、11、12日目はグーグルカレンダーなどを利用した時間管理術についてです。ポイントは「期日・重要度、セミオート化、隙間時間の活用」です。セミオート化させることで、「頭から一旦忘れることができ仕事がはかどる」と本書で紹介されています。まさにそのとおりだと思いますが、グーグルカレンダーが必要です。私の環境では困難なため、忘れても思い出しやすい方法を目指し修正を加えました。
それぞれの仕事にかかる時間を把握する
この本で一番重要で、実施すべき大切なことが「9日目:自分の時間を把握する」に書かれています。高次脳機能障害の症状で「病識がない」ため「失敗しない方法を選択できない」患者様がいます。リハビリ士に言い換えると「仕事にかかる時間を知らない」ことは「スケジュールの破綻」につながります。社会では「仕事ができない人」で片付けられ放置されます。
方法は最低1週間、1分単位で自分の行動を細かく記載します。やってみましたが簡単そうで難しいです。完璧に把握することはできませんでしたが、仕事にかかる時間を知ることで、正確なスケジュールを組むことが前よりできるようになりました。
私が実施した結果、2日に一回は患者様の体調などのトラブルでリハビリを中止し予定外のスケジュールとなりました。18単位以外の1時間20分の間で5分間は他職種の人に声をかけ、約30分は話しかけられ時間を費やしていました。その為、カルテ、計画書、課題の準備などで平均45分サービス残業を行っていました。これに検査のまとめが入ると残業はもっと長引くでしょう。当院は残業に厳しく事前申請が必要です。仕事の内容にもよりますが、事前申請されないものについては時間管理ができていないとみなされます。ちなみに声をかけられない場所でカルテ入力、用件は電話対応とし、20分短縮しました。
スケジュールの活用
グーグルカレンダー(セミオート化)を使える場合
- 作業に必要な時間・期日で4つに振り分ける。
- グーグルカレンダーに実施予定日を記録する。それまで期日まで忘れる。
- 1~15分の仕事はリストにし隙間時間にどんどんこなす。
- 1~5分の仕事は10個のリストにしスケジュールに組み込む。
- 毎朝スケジュールを確認する時間を取る。
- 終了時、スケジュール通りできたか確認。先送りしない。決めたことは必ず守る習慣をつける。
グーグルカレンダーを使えない場合
- 私の方法①
- 他スタッフと共有する資料(リハビリテーション計画書、カンファレンスシートなど)は電子カルテのポップアップ機能があれば利用する。
- 毎朝スケジュールを確認する時間を取る。
- 終了時、スケジュール通りできたか確認。先送りしない。決めたことは必ず守る習慣をつける。
まとめ
書類を4つに分類することで頭の中は整理されますが、実際の仕事の時間を効率よく利用していくことはできません。まず、どのくらいの仕事量で、どれくらいの時間がかかるか自分の時間を把握しましょう。仕事の作業時間を数分でも削ることができれば、「今日しなければならない1~5分間の仕事」を終わらすことができます。患者様のトイレ待ち、病棟のバイタルチェック待ち、入浴待ちの時間などを活用しましょう。
これであなたも1時間20分を有効活用できます。一緒に残業なしの言語聴覚士を目指しましょう。