私はバイザー会議に行き、臨床実習での学生の様子、対応方法などを意見交換をする機会を持っています。時代の流れとともに、思想、文化も変化します。バイザーの考えが古く、学生へ押し付けることがないよう配慮しなければならないと感じます。あなたが聞きたいことはバイザー会議でどんなことを話しているか? だと思います。意見交換した内容について紹介します。
- 学校での様子
- 実習態度について
- 臨床能力について
- 感想など ←今回
目次
学生に期待すること
症例とのやりとり
- 相手に合わせられることを期待する。
- 自分から想像して、ケースの気持ちを思いやれることを期待する。
- 子供の置かれた環境や気持ちを理解して接して欲しい。
- 症例から想像通りの反応が得られない時も、固まらずに臨機応変に状況を見て動いて欲しい。
「気遣い」「社会性」が必要です。実習期間中だけでは無理です。あなたが「できた事」、「できなかった事」を明確にして、今後の臨床につなげましょう。
実習について
- 学生自身も「来てよかった」と思える実習を送ってほしい。
- バイザーは業務中いつも急いで恐縮だが、学生にはしっかりとついてきてほしいと思う。
私も含めバイザーが頑張らないといけません。
指導・教育方法について
- バイザーとして実習生の粗に焦点に置くのではなく、「自分の限界を知る」ことや「臨床現場を楽しむ」事を経験してもらい、現場に出るまで曖昧であった部分を明らかにしていく援助をしたい。
- 学生の力量に合わせて観察ポイントを示し、人を育てるような形で、レポート指導もする実習形式を取りたい。
- 時代の流れに沿って、バイザーもやり方を変えていかなければならないと感じている。
- バイザーがSTとして他職種スタッフと相談・交渉する場面や、家族と話す場面も見学してもらっている。指導者としては学生に見られているという気恥ずかしさもあるが、STに求められているマネジメント力を養えるように一緒に考えていきたい。
教育方法は様々です。バイザーが「こうしたほうが良い」と思っても、組織の方針でバイザーが思う指導ができない場合も多々あります。学生の気質に合わせた臨機応変な教育・指導を行いたいものです。
その他
- 実習施設と養成校との関係を密にとりたい。
学生のあなたは実習中なるべく養成学校の先生に状況を報告したり、些細な事も相談するようにしましょう。トラブルを未然に防ぐことができます。あなたの責任を教員に分散することもできます。バイザーも同様です。
バイザー会議で話していることをテーマに上げてきました。学生・バイザー双方にとって情報の量も多くすべてに対策をすることは難しいかもしれません。実習でどうしたら良いか?
- 学生のあなたは「できる事」「できない事」を区別し、「できる事の範囲をひろげ」「できない事は認め意識する」自己解決せず、バイザー・教員を頼りましょう。
- バイザーは普段患者様にしているように指導しましょう。すなわち「尊厳」を重視しましょう。伸びない学生を非難する(患者様が悪いと言っているのと同じです)前に、バイザーとしてのスキルのどこに問題があるか考えましょう。バイザーとしてのスキルが上がれば間違いなく、言語聴覚士としての技術も向上します。
実習は学生-バイザー双方が技術を伸ばし合える最良の教材です。その先には常に患者様がいる事を意識することで、双方にとってより良い実習になるのではないでしょうか?