私はバイザー会議に行き、臨床実習での学生の様子、対応方法などを意見交換をする機会を持っています。時代の流れとともに、思想、文化も変化します。バイザーの考えが古く、学生へ押し付けることがないよう配慮しなければならないと感じます。あなたが聞きたいことはバイザー会議でどんなことを話しているか? だと思います。意見交換した内容について紹介します。
- 学校での様子
- 実習態度について
- 臨床能力について
- 観察力、その指導について
- 記録、症例報告書について
- 訓練目標、プログラムについて ←今回
- 感想など
訓練目標、プログラムについて
学生の様子
- 子どもと関わったこと、遊んだことが少ない学生がいる。
- 短い実習期間で、患者様に慣れることに時間を割かれる。
- 様々なことに時間を割かれ、プログラム立案となると時間がないことがある。
確かに患者様と関わっている最中、緊張のあまり震えながら行っている学生がいます。緊張は患者様に伝わるため控えたほうが良いですが、その要望は無茶で、経験が必要です。学生は精一杯やっている姿を見せましょう。訓練に支障が出る、患者様から不満が出ることは学生の未熟さからですが、学生の未熟さがトラブルに繋がってしまうような患者様を選択したバイザーに責任があります。患者様の選択をバイザーが責任をもって行い、患者様の不利益にならないようにすべきです。
- 訓練目標に自分の期待を含んでしまい、高い目標を設定していしまう実習生がいる。
情が入ってしまう学生の気持ちはわかります。そんな学生の多くは客観的に評価できていない傾向があります。ICF(国際生活機能分類)の観点から客観的に評価できていれば、情が入っても、高すぎる目標設定にはなりません。
そうは言っても、ICF(国際生活機能分類)の観点から客観的に評価できるようになるには経験が必要です。
目標に自分の期待を含んでしまうことは患者様のためどころか、転倒リスク・他者トラブルなどの問題を生む可能性があります。あなたが設定したその目標をあなたの技術で達成できるか? を考えてみてください。FIMやICF(国際生活機能分類)について勉強しておきましょう。
バイザーの対応
- 訓練プログラム立案においてはアドバイスしている。
- ケースレポートのまとめも協力体制を取っている。
- 臨床思考図を用い、患者様の全体像を捉えるような教育方針を取っている。
- 何ヶ月先に向けての目標なのか、ということを見通しを立てて設定するように指導している。
学生が予後予測する機会を持ち、それについてバイザーと議論することは重要ですが、予後予測についてたった数ヶ月の実習で学生にできるようになるとは考えにくいです。
最終的にはバイザーの予後予測を伝え、バイザーが思う目標に向け、学生が段階的な目標・計画を立てることが妥当ではないでしょうか?
実習の教育方針によって、バイザーの能力によって、学生に求められることは大きく変わります。学生のあなたは実習の教育方針について事前に確認することが重要です。バイザーのあなたは様々な教育の仕方があることを知り、少なくともあなた自身を超える学生を育てる意識を持って関わっていく必要があると考えます。実習の教育方針についてはこちらをご参照下さい。