私はバイザー会議に行き、臨床実習での学生の様子、対応方法などを意見交換をする機会を持っています。時代の流れとともに、思想、文化も変化します。バイザーの考えが古く、学生へ押し付けることがないよう配慮しなければならないと感じます。あなたが聞きたいことはバイザー会議でどんなことを話しているか? だと思います。意見交換した内容について紹介します。
- 学校での様子
- 実習態度について
- 臨床能力について
- 観察力、その指導について ←今回
- 記録、症例報告書について
- 訓練目標、プログラムについて
- 感想など
観察力、その指導について
学生の傾向
養成学校によって、教育方針が異なります。病院を関連施設に持っている養成学校の生徒は実践に近い体験を長期実習前に積んでいる傾向がありますが、その学校の生徒が優れていると言うこともありません。以下に該当する方は教員が心配している学生です。
- どの行動・反応を抽出するべきかとという点で悩んでいる。
- レポートの方向性を見いだせずに時間ばかりが過ぎてしまう。
- グループワークでは友達に頼り、自分自身で考えて実行できていない。
きっと、1つは該当するのでは? と思います。普通なので心配しないで下さい。ただ、あなたがどうしてこうなってしまうのか? 何が足りないのか? は知っておく必要があります。
バイザーの意見
学生の様子
これまでは観察力に優れて学生が多かったが昨年はどこを見るのか? というところにつまずく学生だった。
そんなことはありません、今も昔も同じです。きっとこの発言をしたバイザーの所属している病院・施設は優遇されているのでしょう。
- 観察についての指導に時間を費やしてしまい、技術的なことの指導に時間を割けなかった。
- メモをとることに必死で、反応を見逃す実習生がいる。また、メモに取っていることがレポートに反映されていないこともある。
学生の傾向として普通です。このような学生に対してどう指導するかがバイザーの技量だと思います。
バイザーの対応
- 反応を見つつ、上を向いてメモを書くような具体的な指導を行うこともある。
学生の事が見れていないバイザーだと思います。学生が困っているポイントはそこではありません。
- 学生の適応力に任せておくのではなく、具体的に段階づけた指導をしていくことが良いと考える。
学生の適応力に任せる指導を「指導している」と勘違いしているバイザーがいます。そんなバイザーにあたったらあなたで何とかするしかありません。当サイトを参考にしたり、twitterや当サイトお問合せより困っていることをご相談下さい。
- 一度見てわからなかった点を挙げさせ、次に関わる時までに、その点を見るためにはどういった反応・行動を見ると良いかということについて事前に打ち合わせをする。
- クリニカルクラークシップという実習方法を採用した。
的を得た指導ができている可能性が高いです。教員がみた学生の傾向や、バイザーが経験した学生の様子より、学生が困っていることは「分からないことが、分からない」「どこを見ればいいのか分からない」のです。
学生はどうすればよいのか?
私の実践している方法です。これを行えば、メモの充実、レポートで書くポイントが分かるようになります。習得できる見る目に学生の個人差はありますが、臨床に出て必要な考え方や評価するポイントは理解できます。ライセンスを取ってからもあなた自身で見る目を養っていくことができます。方法は単純です。→関連記事
- 正常のメカニズムについて、チェックリストを作り、いつでも確認できるようにしておく。
- メモを取る余裕がなければ、正常メカニズムについて時系列でチェックリストを作っておく。見学中、リストにチェック or 書き込む。
- バイザーにリストに足らないところがないか相談する。確認してもらう。
上記のことをすることで、症例の反応で疑問を感じる点が出てきます。それが、メモするポイントであり、評価のポイントです。
バイザーの指導だけで、必要な知識・技術を習得できるのが理想です。理想論は空虚です。あなたが上記に記した学生に当てはまっていると感じたら積極的にあなたにできる事を試してみましょう。
ご協力のお願い
チェックリストについて、いつか当サイトでダウンロードできるようにしたいと思いますが、正直今の私の時間では、当サイトを運営するだけで手一杯です。
こころよい方がおられましたら、当サイトお問合せにコピペして頂けると大変助かります。そんなことが増えると、もしかしたらチェックリストだけでなく、皆さんが作成した教材などをダウンロードし合える項目が作れるかもしれません。←理想論にならないように何としても実現しようと思います。なぜなら、患者様のためになるからです。
長々と読んでいただきありがとうございます。あなたのご意見・ご感想が当サイトを支えています。今後ともよろしくお願い致します。