実習地の教育スタイルを事前に知ることは重要です。一期目、二期目で教育スタイルの違いに戸惑う学生も多く、予想外の事態がストレスとなり、それだけで失敗してしまう学生をもった経験があります。実習地の教育スタイルについて、評価のポイントと対策を紹介します。
クリニカル・クラークシップ(CCS)型
研修医の教育スタイルに似ています。特定の症例は持たずバイザーの助手のような役割を通して臨床経験を積み、学生の習得に合わせてステップアップします。いきなり「はい、◯◯の検査やってね。」ということはありません。熱意とバイザーとの意思疎通が鍵となります。
ステップアップ
- 見学:バイザーに見学のポイントを教わり、そこが診れるようになる。
- 模倣:診るポイントがわかった内容について、実際に患者様に触れバイザー真似をする。
- 実施:模倣を繰り返し、技術を習得できた内容について、バイザーが見守っている状態で実際に行う。
デイリー・レポート・課題
実習中、レポートなどの課題は重視されませんが、評価の項目に「レポートの作成」の欄があるため、書く努力を自分でしなければ点数が低くなります。レポート作成の苦手なバイザーに当たると、書けるようにはなれません。実習地によっては、一日の振り返りはカルテの記載で行うところもあります。
落とし穴と対策
この教育スタイルはレポート型より実習中、心身的に楽なことが多いです。しかし、学校での成績開示で点数ギリギリか、実習地によっては落ちている事があり(←落ちるのは稀なケースだと思います)「なんで?」となります。そのような学生の多くは、言語聴覚士を目指す目的・目標が不明確で熱意が伝わってこない、自分をしらないので患者様を診れず見学からステップアップできない、それ自体に気付いてない傾向があります。実習前に自分はどうしたいか?をはっきりさせておきましょう。
こちらの記事をご参照ください。
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レポート型
今まで実施されている一般的な教育方法です。私は長期が小児、成人とそれぞれ8週ずつあったのですが、どちらもこのタイプでした。
症例数
1〜3症例について初期評価、訓練、再評価を実際に行います。バイザーはその様子から技術を評価します。事前に指定された評価方法は練習して望みましょう。
デイリー・課題・レポート
知識は長期レポートや課題を通し理解できているかを評価します。実習の大半はデイリー・レポート・課題の修正作業に追われる傾向にあります。
対策
初期評価の段階でつまづく学生は①文章作成能力が低い、②バイザーとの意思疎通が取れない事が主な要因です。①②が低いことは致命的です。①はバイザーが基準なので簡単ではありません。②は熱意とどのようにコミュニケーションを取ればよいかを知ることで何とかなります。私は②を気をつけ、何とか乗り切れました。
こちらの記事をご参照ください
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どちらが楽か?
学生の習得度に合わせて行うクリニカル・クラークシップの方が楽ですが、目標の低い人は伸びないデメリットが有ります。また、バイザーの技量に影響を受け易いため、運が悪いと1期目クリニカル・クラークシップで満足感があっても、2期目レポート型となった時、総合的に習得技術が低い事に初めて気づくことがあります。その場合、2期目の実習が心身的に相当辛くなります。
実習に特化した本
体験記に近いく、私のブログの内容にも重複するところがあります。以下のように実習に特化した本に目を通しておくだけでも、臨床実習対策になることがあります。
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アマゾンのすすめ
私はアマゾンのプライム会員かつ、キンドルを利用しているのですが、かなりの恩恵を受けています。最近キンドルは定額無料も始めており私には色々と時間が足りません。