言語聴覚療法 臨床マニュアル
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「試験勉強で参考になる専門書は?」「実習でもっと言うた方が専門書は?」という質問をよく受けます。
学生さん・新人さんにとって必要な知識は教科書を中心に読み込み、必要な時に論文を読むことで事足りると思いますが、それは臨床現場での話です。
学生さんは国家試験を控えています。それに見合った、調べるために効率の良い、出所のはっきりした情報が必要です。
内容
言語聴覚士が臨床の対象とするほとんど総ての言語聴覚障害を網羅し、臨床の手順である検査・評価・訓練・指導・助言の方法と内容およびその根拠を示したマニュアル。各論ごとに臨床の流れをフローチャートにする。
(TRC MARC)
まさにマニュアルといった感じです。
入門者には少し難しい内容
言語聴覚障害について全範囲の専門的な内容が、必要最低限の説明で書かれています。文章の理解力がある方や、入門レベル以上の知識がある方にとっては、体系的にまとまっており、全体を網羅するには適した専門書です。
入門者のテキスト、療法士の日々の業務用としてはどうか?
使いにくい印象があります。内容が浅く、広く、専門的だからです。
多くの臨床現場ではその病院・施設の特徴にあった専門分野があり、言語聴覚障害についてすべて網羅する必要がなく、わざわざ浅い内容の専門書を読む必要はないからです。
また入門書としての利用ですと、専門的な用語が多く簡潔に書いてあるため、理解するには効率が悪く、目的とする分野に特化する入門書を読んだ方が良いです。
学生さんにはどうか?
じゃぁ~、誰に適しているんだ? というと、実習や国家試験を控えている学生さんです。
この本に書かれている内容はザ・王道であり、実習では王道な流れとの比較が重要です。
また、一冊で全範囲を網羅しているため、辞書のような利用もできます。頭が整理されていない学生にとっては、目次を読むだけで、言語聴覚障害に対するアプローチの整理がしやすいです。
臨床場面でも国家試験対策の参考図書としても、知識をスムーズに得ることができます。
時間との勝負の一面を持つ実習、試験対策には適した専門書です。
ネットで調べりゃいいんじゃない?
…と、感じる人も多いかもしれませんが、その情報の出所は重要です。
実習で「ネットで調べてきました」と自信満々にいう学生がいますが、出所が信頼できる場所・人であるかどうかは外せ無い情報です。(わけのわからないコピペもダメです)
ネットで調べた情報を、そのままあなたの考えのように患者様やご家族に伝えることができますか? あなたが患者様であるなら、ネットで得た報をもとに説明を受けて納得できますか?
ゴシップネタじゃないのでプロがそれではいけません。ネットでの検索は論文を探したり、再認を目的とし利用することが望ましいです。
だから、辞書のように信頼できる情報が載っている本書は学生さんにとって便利です。
特徴、価格など
新人療法士はわざわざ買う必要はないと思いますが、臨床実習や国家試験を目指す学生さんに適した本です。
学生さんが利用する頻度を考えると、A4サイズで553ページ、この情報量で6,800円(税抜)は安いです。
5段階評価
難易度 ★★★★★
おすすめ度 ★★★☆☆
総合評価 ★★★☆☆
学生さんの専門書としては、おすすめ度MAX!
改訂版が出たって王道の方法は大して変わりません。新しい情報を求めるのであれば、論文を読んだ方がいいからです。
この本をどうせ買うなら1年生の早い時期に買っておくのが得です。難易度が高めですが、あくまでもこの本はマニュアルとして早い時期にすべての専門教科の参考図書として利用していけば以下のような効果が期待できます。
- 言語聴覚障害のを体系的に理解していくことができ、知識を蓄積しやすくなる。
- 専門用語、硬い文章に慣れ、論文などが読みやすくなる。
- 早い時期から書き込む、内容を補足するなどすることで、最強の国家試験対策参考書に成長する。
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