終末期?リハビリ概念?他職種連携?

第21回日本摂食嚥下リハビリテーション学会~広がりゆくリハビリテーションニーズの中で摂食嚥下を考える~の内容で気になった所、言語聴覚士としてお知らせしたいことを私の考えを添え紹介します。

教育講演1 疾患別対応 アルツハイマー型認知症の摂食嚥下障害

大阪大学 大学院 歯学研究科 顎口腔機能治療学教室 野原 幹司先生が講演をしてくださいました。

ユーモアがあり、人を引き付けるセンスがある先生でした。先生の話を何回も聞いている方もずいぶん多く、ただのファンもいそうなくらいでした。

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急性期、回復期、生活期、「終末期」

  • リハビリの概念は広がりつつある。
  • 急性期、回復期、生活期が中心の考えが知られているが、終末期という考えが重要である。終末期には100万人。
  • 死に際に「先生、おじいちゃんを一度でいいから歩かせてください。」という人はいない。「一口でいいから食べさせてあげてください。」という人はいる。良い死に方を考えるには摂食嚥下を取り入れていく必要がある。

野原 幹司

リハの概念は簡単に言うと「復権、失った機能を取り戻す」と言ったことが中心でしたが、もう過去のことです。

現在、生活場面で実際に使える方法を取り入る「機能改善中心から生活の質の向上へ」つまり、その人らしい生活を送ることに重きがおかれ回復期、生活期(=慢性期、維持期)でリハビリテーションが行われています。(←10年前より国が介入していますが、まだまだ、ついていけてない時代遅れの療法士もたくさんいて問題となっています。)

生活期までの考えではいけません。認知症で反応がほとんど得られない人、がんを患い痛みとともに生活する人など、右肩上がりのグラフを目指した機能向上を望む人ばかりではありません。苦痛の中、関節可動域訓練などの機能訓練ばかり行ってもらうことが、その人にとっての幸せでしょうか?

「終末期」という考えが広まっています。右肩下がりのグラフをたどる状況の中、寄り添ったリハビリが重要視されています。(←10年前より国はそれをリハに臨んでいましたが、リハ業界はそれにこたえることができませんでした。最近の制度の改正で国におしりをたたかれ、必死になっているのが現状です。)

・・・と野原 幹司先生の講演でこの話は出ませんでしたが、広がっている概念を療法士は理解し受け入れ、「終末期」に差し掛かっている人々をどうアプローチしていくかを考える必要があります。

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キュアからケアへ! 訓練から支援へ!

  • 終末期のアプローチは、比率をケア・支援へシフトさせる。
  • 認知症に起因する症状は改善しない。改善するのは廃用の部分。
  • キュアは患者を変えること。ケアは患者は変わらなくてよい。周りが変わること。支援であれば私たちにできるアプローチが無数にある。

野原 幹司

書籍をたくさん出されているのですでに知っている方も多いのかもしれませんが、「キュアからケアへ! 訓練から支援へ!」という言葉はインパクト大ですね。これを聞いて私はスッキリしました。私の在籍する病院は回復期、生活期(終末期も含む)ですが、地域の機能としてベースに認知症がある方ばかりなので、ケア・支援を行いながらできる能力を向上させ、生活場面でしている動作へつなげるアプローチを何年も前から当たり前にやっています。私はこれが今のところ最強のリハだとも思っています。先生が「キュアからケアへ! 訓練から支援へ!」おっしゃると説得力があり自分がやっているアプローチに自信が持てました。先生ありがとう!(笑)

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今後は病態を考えてケアを!

病態を知らないと、症状を「問題行動」ととらえるが、病態を理解できると症状に対して対応ができる。その症状を受容できる。

野原 幹司

ものすごく重要なことです。「問題行動」ととらえると腹が立ちます。正しく理解し受容できれば腹も立ちません。

療法士が患者様と一日にかかわる時間は20分~3時間と生活のごく一部分の関りです。そして、病態に対し理解があり、かつ、患者様は療法士を「先生」としてみることも多く、患者様の症状に対し「仕方ない」と需要できます。

看護師、介護職の方の多くは療法士のような状況にありません。24時間の交代勤務で、病態に乏しいことが多く「問題行動」ととらえる症状と日々格闘しています。少子化や会社の経済状況により、現場のマンパワーは当然不足がちです。ケアする側も人間であり、当然ストレスがたまります。

そういう劣悪な環境が続くと医療事故や暴力・虐待が起こり易い状態になります。

療法士は一緒に働く病棟スタッフの協力があってこそ、患者様にとっていい仕事ができる職種だということを忘れてはいけません。一緒に働くスタッフのストレスを軽減させるためにも、知っている知識をお互い共有し、互いに正しいケアを行っていく必要があります。

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