リハビリテーションのアプローチは視点を変えなければならない転換期に来ています。あなたは以下の言葉をどう思いますか?
キュアからケアへ! 訓練から支援へ!
- 終末期のアプローチは、比率をケア・支援へシフトさせる。
- 認知症に起因する症状は改善しない。改善するのは廃用の部分。
- キュアは患者を変えること。ケアは患者は変わらなくてよい。周りが変わること。支援であれば私たちにできるアプローチが無数にある。
野原 幹司
日本摂食嚥下リハビリテーション学会に参加したとき、野原先生は上記のようにおっしゃっていました。これは、認知症に限った話ではないと思いますし、終末期に限った話でもないと考えます。
回復期ではキュアが求められますが、ケアを行える環境を整え少しでも早く地域に返す事の方が重要とされています。
ケアも考えるメリット
ざっくり3つのメリットがあります
- 精神的なストレスが軽減する
- ニーズを実現しやすくなる
- 適切なケアの量が機能訓練になる
患者様のメリット
やりたいことができない環境では、やる気が起きない、現実が見えない、必要な能力が向上しないなどのデメリットが多いです。ケアを行うことで最低限のニーズを満たすことができることが多く、ストレスの軽減が行えます。
ご家族のメリット
ケアを行うこと自体は、力、時間をようし、経済的にも身体的にもストレスを追う環境となり、今までの生活が激変する可能性も多いです。だからと言って、長期病院・施設で生活することでのメリットは多くありません。いつかは退院しないといけません。
早い段階からケアを行うことでケアのポイントやコツをつかみ易いです。
さらに、回復期で積極的にリハビリ療法士とかかわることができ、生活の中で行えるリハビリを知る機会にもなります。無駄なサービスを受ける必要が減ったり、介助技術が上がり身体的な負担が減ったりと長期的には経済的、身体的な負担が減る可能性も多いです。
療法士のメリット
その人に合った効率の良いリハビリテーションを行うことができます。必要なサービスも早い段階で気づくことができより短期間に必要な環境設定を提案できます。何よりもニーズを叶えることができます。
ポイントは適切なケアの量
外してはいけないことは過ぎた介護は誰にとってもよくないということです。
- 患者様はできる限り自分でやろうとすることが重要です。自分でできるようになったところもやってもらうと当然できなくなります。
- ご家族は手伝いすぎることで患者様の伸びる部分を奪ってしまいます。長期的な身体的・経済的な負担を軽減させることができなくなります。
- 療法士としてただケアを行うだけでは存在価値がなくなります。適切なケアの量を評価し、そのケアの中にリハビリ的な要素を入れ家族を中心とした支援者に提案・検討することが求めらられます。
まとめ
- キュアからケアへ! 訓練から支援へ!の視点を持とう
- ケアの視点はすべての患者にとっても、回復期でも重要
- 適切なケアの量をすることで長期的なメリットが生まれる