構音障害で言語聴覚士が見落としがちなところ

第16回日本言語聴覚協会~臨床力を鍛える。-言語聴覚療法の発展と開発-~の内容で気になった所、言語聴覚士としてお知らせしたいことを紹介します。

シンポジウム「話せばわかる-自発話から見えてくる障害メカニズム」

櫻庭 ゆかり(仙台医療福祉専門学校言語聴覚士科)先生が、運動障害性構音障害についてお話ししてくださいました。

患者様への導入(初期評価~訓練の実施)

  1. ニード共有を行う際、発話の観察を行う。
  2. 運動の観察を行い、情報の統合と分析を行い仮説を立てる。
  3. 検査で症状の照合と仮説の立証を行い訓練を策定する。

櫻庭 ゆかり

運動の観察??? ←私はこの点を感覚(勘)で処理していました。反省しています。

運動観察について

同じメロディーが流れている

=立位や歩様の観察からも構音障害の様相をある程度把握できる。立位、歩行、姿勢と顔面・顎の静止時及び運動時の動態は似ている。

櫻庭 ゆかり

「同じメロディーが流れている」←カッコいい~と感じるだけでなく。これを聴いてハッとさせられました。自発話、ADL(日常生活動作;起きたり、座ったり、葉を磨いたり、入浴したりなど)場面を観察することはあっても、その運動の様子や安静時の体の様子と構音の特徴を意識して関連づけていなかった。

おそらく「感覚」「勘」で評価する場面は経験を積めば積むほど誰しも少なからず経験があると思います。残念ながら、それは他の職種でもできます。療法士の役割、求められていること、他の職種と違うのは、専門的な場面において症状の関係性、根拠考える、それを証明する事です。

今回のシンポジウムで意識して患者様と関わっていくことが大切であると改めて確認できました。

検査について

  • AMSDでは主に構音の単発運動をみる。
  • 発話は構音の微細な連続運動であるため、自発話の観察は必須。

櫻庭 ゆかり

※AMSDとは標準ディサースリア検査の略称で発声発語器官機能の検査です。「北風と太陽」などを音読させ発話の特徴を観察することができます。

自発話の観察ポイント

  • 顎による代償があるか?
  • 口形はどうか?
  • 前舌音から後舌音、後舌音から前舌音への移行時間に遅延はないか?
  • 歪が起こる場所は語頭か? 語中か? 語尾か?
  • 構音の準備が必要な場所(促音の前、語頭など)で発声できているか?
  • 子音に対し母音の遅れはないか?

櫻庭 ゆかり

言語聴覚士が陥りやすいこと。それは、専門分野と考えている部分の機能面にだけ目を向けやすいこと。

それに注意して生活場面での高次脳機能など意識して関わっていましたが、発話面を生活の中の動作や行動から推察することは意識してできていませんでした。総合的な評価、症状を証明するためには重要な事です。

「同じメロディーがながれている」私もこの言葉を使えるようになるよう、患者様の全体を評価できるよう努力していく次第です。
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