生活期の失語症リハビリテーションにおける言語聴覚士(ST)の役割

第17回日本言語聴覚学会の参加報告をうけ、私の視点(回復期~生活期、終末期、精神科領域)から思ったことを投稿します。

生活期における失語症リハビリテーション 「生活の再構築」への支援

  • 言語聴覚士(ST)は失語症友の会などを利用して失語症を患う方、ご家族、ボランティアの方々をつなぐ役割がある
  • ボランティアには地域と失語症を患う方をつなぐ役割がある
  • 失語症を患う方は失語症者だけの集まりに参加するだけでなく一般の人と同じ会に参加することが重要
    • 料理教室など地域に溶けこんでいけることが重要

半田理恵子先生(夢のみずうみ村新樹苑 )

失語症友の会に私も参加していますが、言語聴覚士(ST)だけの参加ではなく、関わりのあった療法士(PT/OT/ST)、理想的には担当していた看護師さん、介護福祉士さんも参加すると充実した会となります。

世にある失語症友の会は言語聴覚士中心で理想的な形ではない事が多いです。失語症友の会だけでなく、○○の会と言った体験者の集いにおいて、その専門家のみが運営していく事は疑問が残ります。

半田理恵子先生はそんなこと言っていないのですが、もし職域を他の職種に食いつぶされるという考えであるならそれは誰のための会か見直した方が良いと思います。

ちなみに失語症友の会を継続するためにはポイントがあります。

誰が運営するのか?

失語症友の会のよくある運営例は以下の通りです。

担当した言語聴覚士が運営(所属の職場非公認)

小規模、存続は不安定。言語聴覚士の器量によりますし、非公認であると当然言語聴覚士はボランティアで行っており、転勤・退職などを考えると安定した運営は難しいです。マンパワーも安定した確保は難しいことが多いです。

担当した言語聴覚士が運営(所属の職場公認)

中~大規模、存続は安定。言語聴覚士の器量によりますが、公認であると運営者へのバックアップがあり、マンパワー・運営費の確保は期待できます。ただし、非営利の活動を公休日に指示することはボランティアだと言い張っても労働基準法にも違反する可能性がありますし、厳しい経営環境の中継続できるかどうかは不安なところです。

失語症を患った方・ご家族が運営(病院単位)

小規模、存続は不安定。運営者にも生活があり容易ではありません。

失語症を患った方・ご家族が運営(地域単位)

組織化されている可能性が高く、理想形です。ここまでの規模になるまでに色々ありながら運営されてきたのだと思います。

正直なところ職場での業務を精一杯して、職業倫理を満たすため様々な会議や学会を含む勉強会に参加し、家庭のことも考えるといくら言語聴覚士(ST)だからと言って友の会を運営する自信はありません。ではどうしたらいいのでしょうか?

失語症を患った方・ご家族は友の会についてどこまで知っているのか?

半田理恵子先生がいう「失語症を患う方は失語症者だけの集まりに参加するだけでなく一般の人と同じ会に参加すること」と言うミッションを失語症を患った方やご家族が叶えるには「段階を踏む」必要があります。

  1. 友の会などの存在を知る
  2. 参加した会の参加者と知り合いになる
  3. 友の会などの参加者と一緒に料理教室などの一般の人と同じ会に参加する
  4. 患った方とそのご家族で一般の人と同じ会に参加する
  5. 患った方独りで一般の人と同じ会に参加する

もちろん可能であるならば飛び級も良いと思います。

言語聴覚士(ST)および担当したスタッフの役割は

言語聴覚士(ST)や担当だった理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、介護福祉士(RCW)、看護師(NS)などのコメディカルスタッフは下記のような変わり方が可能だと考えます。もちろん私がすべてやっているわけではありません。理想も含まれます。もし実際にやっている方がおられたらご意見いただければと思います。

友の会などの存在を教えてあげる

生活期へ移行する前に知りうる限りの情報を提供しましょう。利用できるサービスは利用しないにしても知識として持っていなければ、利用者はその情報を知りうるすべをなくしてしまう可能性があるからです。自身で運営していない、他の所属の言語聴覚士(ST)などに依頼したい場合は情報を整理し、利用可能なサービスについて簡単に説明できるようにし、詳細は誰にきけばよいか? どこに問い合わせればいいか? などはできるようにしておきましょう。それが連携です。

参加するであろう会の参加者に協力を求める

友の会への参加も緊張するものです。友の会も週に一回などあればよいですが、実際には頻回にできるものでもないように思えます。失語症を患った方は社会的疎外感を受けやすく、その会の印象を一回目の参加で「自身に必要な会かどうか」を決めて次回につながらない可能性もあります。できる限り参加しやすい会にする為にも言語聴覚士(ST)などの役割を持つスタッフは根回しをしておくとよいでしょう。

一緒に一般の人と同じ会(料理教室など)に参加する

入院中でも可能なことですが、所属する職場が許可するのであれば退院後も会の参加に付き添ってあげると良いでしょう。会を紹介する役割を持つ言語聴覚士(ST)などのコメディカルスタッフは、紹介することに責任を持つためにも「会」がどのようなものか情報を収集すべきです。「会」の運営者が理解してくれると、一般の会も生活期のサービスに近いものへと変わります。それが地域包括ケアです。

ご家族にできること

  1. 自分の生活を楽にする目的で一緒に友の会などに参加してみる
  2. 一般の人と同じ会はご家族が興味のあることでよいので一緒に参加してみる
  3. 失語症を患った方が参加したいと思える活動に一緒に参加してみる。

まずは家の外に興味を持ってもらうことです。ただし、支援する方が倒れてしまっては意味がありません。ご家族自身の負担を減らす目的、ご家族自身が楽しめる目的から始めても問題ありません。

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厳しい話ですが…一緒にやっていきましょう!

私は失語症を患った方々が住みよい環境が整うことを願っています。その為には失語症を患った方々にも協力していただく必要があります。

後輩の失語症者の方が住みよい環境を得るためには、先輩の「一歩踏み出す勇気や努力」が必要です。

言語聴覚士(ST)や担当だった理学療法士(PT)、作業療法士(OT)、介護福祉士(RCW)、看護師(NS)などのコメディカルスタッフの役割は生活期における失語症を患った方々・ご家族の「勇気」「努力」を支えることだと考えます。

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