「行動」とは、大辞林(第三版)にて以下のように説明されています。
こうどう【行動】
( 名 ) スル
- 実際に体を動かして、あることを行うこと。実行。おこない。 「 -に移る」 「ただちに-する」
- 〘心〙 〔behavior〕 外部から客観的に観察できる、人間や動物の動きや反応。
出典:三省堂
行動とは、単に行う事、動作や振る舞いの事を言っています。では、あなたは何故、行動するのでしょう? それは、小学生の言動、責任転嫁する人の言動から、その理由がよくわかります。
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ icon=”2.jpg” name=”イイワケ夫君”]- ○○君がこうやったから
- 失敗したのは、○○で忙しかったから
- ○○やっといてって言ったのに
ホントに何かあったかなんて、ここでは議論しません(笑)
彼らにとっては本当にそこに理由があったんでしょう。何か理由があって、突き動かされているのです。
行動の要因とはどんなものがあるか?
国語の参考書に出てくるような有名な先生は、
[speech_bubble type=”drop” subtype=”L1″ icon=”1.jpg” name=”国語の先生”]行動の前には、感情の変化や、それに至るきっかけが必ずある。[/speech_bubble]と言っています。つまり、きっかけ/行動の要因とは、動機の事です。リスクのあることを行う場合ほど、動機はより強くなるのが一般的です。例)犯罪
マレーの社会的動機
アメリカの心理学者マレーは、人間の行動を欲求ー圧力という動機づけの過程によって2つに分類しました。
- 一次的欲求(臓器発生的欲求):生存に不可欠な生理的欲求
- 二次的欲求(心理発生的欲求):社会生活を営む上で必要な社会的動機
さらに、社会的動機を細かく分類しています。
- 遊戯動機…楽しさや面白さを求める。緊張をやわらげ、冗談やゲームを好む。
- 理解動機…理論的な考えを求めたり、物事の仕組みを理解しようとする。
- 変化動機…新しいことを好み、流行に敏感で変革を求める。
- 秩序動機…安定、秩序、伝統、などを大切にする。整理、整頓、正確さを目指す。
- 達成動機…努力して高い目標をやり遂げる。才能を生かし自尊心を高める。
- 親和動機…好きな人の近くにいたい、助け合いたいと思う動機。友情を重視する。
- 屈辱動機…自分を責め、非難や罰を受け入れたいと思う。敗北を認める。
- 攻撃動機…言葉や力を使って相手を屈服させたい、反対を克服したいと思う。
- 自律動機…束縛、強制、横暴な権威、因習を嫌い、自由と独立を求める。
- 支配動機…人の上に立ちたい、説得や命令によって人に影響を与えたいと思う。
- 服従動機…優れた人の命令に従い、その人の言う通りにしたいと望む。
- 顕示動機…目立ちたい、人を驚かせたり、楽しませたりして印象づけたいと思う。
- 援助動機…弱い者、困っている者などを助け、慰め、励ましたいと思う。
- 依存動機…甘えたい、助けてもらいたい、愛されたい、同情されたいと思う。
- 異性愛動機…異性を求め、恋愛関係や性的関係に関心を向ける。
- 屈辱回避動機…失敗して軽蔑されることを避けたいと思う。自己防衛的な思い。
マズローの欲求5段階説とは
5段階 自己実現の欲求 自分の理想を実現したい 4段階 承認・自我の欲求 尊敬されたい、認められたい 3段階 社会的欲求 みんなといい関係でいたい 2段階 安全の欲求 危険なことなく安定していたい 1段階 生存欲求 食欲、睡眠欲、性欲をみたしたい
人は下の段階の欲求が満たされると、上の欲求を満たそうとすると言う考えです。
私は職場でマズローの欲求5段階説をよく使っています。マズローの欲求5段階説で仕事に関する動機について考察してみます。
あなたは、職場で、どこの欲求を満たしていますか? どの段階ですか? 一番多いのが、第3段階を満たしている方ですので、その人を基準に、行動の動機となる状況を紹介します。
新人さんの動機、先輩が関わるポイント
就職できたことで、2段階目の「安全の欲求」は満たされていますが、3段階目の「社会的欲求」が満たされていない状態です。つまり、みんなとの関係を大切にする段階です。
なので、
- 仕事内容を覚え、周りの人に迷惑をかけたくない
- 能力的に力を持て余していても、同期に行動を合わせる
- 顧客に信頼してもらいたい
などです。上記の事から逸脱すると、ストレスを生みやすいです。
新人さんの話を傾聴し、同調し、認めてあげましょう。また、似たような状況の方を紹介したり、その場に溶け込みやすい環境を整えてあげましょう。
3段階の社会的欲求を満たした人の動機、上司が関わるポイント
4段階の「承認・自我の欲求」が叶えられそうで、叶えられていない状態です。仕事は問題なく行える。
- 後輩もでき、頼られる先輩になりたい
- ○○の分野ではリーダーを任されたい、負けたくない
- 顧客から指名を受けたい、成績トップになりたい
などです。すべての人が上記のような状態を満たすわけではありません。また、知識も技術もある一定以上の水準が必要で、自身の関連する仕事すべて、4段階の欲求を満たす事はできません。
自身の進むべき道も、ある程度理解して行く段階になります。その葛藤を解決するための動機が起こりやすいです。信頼できる上司に相談しましょう。
相談を受けた上司は、現状を理解して、尊重し、頼りにしていることを伝え、現状を打開するためのサポートを明確にしてあげましょう。
自己実現を果たしている人の動機
第5段階なので、自分の理想をもとめています。仕事上の理想というのは、社会の状況によって変化します。理想を実現するために、部下に実現するための方法を提案したり、方針を出したりします。
つまり、動機は社会情勢、関連業種の動向となります。
[speech_bubble type=”drop” subtype=”R1″ icon=”profile.jpg” name=”小川準一郎(オガジュン)”]マズローの欲求5段階説を利用することで相手の仕事に対する考えを知ったり、あなたの仕事に対する考えを整理したりすることができます。仕事だけでなく、様々なカテゴリーで応用し、人生を豊かにしましょう。[/speech_bubble]